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徒然なるままに世界遺産City宗像を歩く

世界遺産City宗像。世界遺産以外にも国史跡装飾古墳の桜亰古墳がある。古から人々の暮らしが営まわれてきた町である。市のほぼ中央には、小さな釣川が流れ、その周りを山々が取り囲むように連なっている。冬は玄界灘から冷たい風を受ける。
ここに珍しい施設、「海の道むなかた館」がある。この施設は、世界遺産のガイダンス施設である。沖ノ島についてたっぷりと知ることが出来る。アナタも沖ノ島通・・・。

また、宗像大赦にある神宝館に入ると数々の国宝の文化財が見られる。是非立ち寄って見たい場所である。文化財を見ながら、その時代へと思いを馳せてみては・・・。

秋になると、この世界遺産City宗像で、全日本実業団対抗女子駅伝競走大会予選会 プリンセス駅伝が行われる。

3女神(市杵島姫神、湍津姫神、田心姫神)に見守れながら女性アスリート達がクイーンズ駅伝への出場資格をかけて熱い戦を繰り広げる。

黄金色に染まった田んぼの横を、高低差をものともせず 力強いステップで、1Km3分弱で走り抜けてゆく。レベルの高い大会である。今年は、何処のチームが優勝するのかな?秋が楽しみである。
今年も増田 明美さんが見られるといいな。
増田 明美さんのお話は、小柄な体からパワーと細やかさが伝わってくる。

この町には、小さな港が2つある。一つは、神湊港 もう一つは、鐘崎港である。神湊が、1年の中でいちばん賑わうのが「みあれ祭」。宗像大社のお祭りである。このお祭りのなんといってもハイライトは、船の海上パレードである。圧巻である。海の町宗像ならではの風景である。海人達の勇ましい姿が見られる。

もう一つの港、鐘崎港は、神湊港から道の駅むなかた館の前を通り、松林のトンネルを抜けた先にある。
天皇皇后両陛下ご臨席のもと、2017年(10月28・29日)に「第37回全国豊かな海づくり大会福岡大会」が宗像で開催された。鐘崎漁港も大会ゆかりの地である。

歴史ある漁師の町ならではの風景がここにはある。
これは、漁師の願いが詰まった小さい祠とお地蔵さんである。
手入れが良く行き届いていて思いが伝わってくる。 この漁師町は、夏真っ盛りの頃から「あなごちゃん祭り」が始まる。是非一度ご賞味あれ。

この漁港のはずれに、小さな神社がある。その名を織幡宮という。参道から急な127段の石段を登ったところに本殿がある。 この織幡宮は、この地方では、宗像大社に次ぐお宮である。残念ながら世界遺産には、登録されていない。

 

本殿の裏に鬱蒼と茂った木々がある。この木々のトンネルを抜けたところに沖ノ島遥拝所がある。この道は、強い風が吹いて波が白く荒くるっているような強風でも木々が防いでくれる。強風雨に長年耐えてきた頼もしい木々たちである。台風の時でも風の音は凄いが、ここは安心である。

沖ノ島の遥か向こうに、大陸がある。 この海を渡って大陸との交流を飛鳥以前から行っていたのだろう。

「ピーヒョロロロロ…」と鳴いている空を見上げると、数羽のトンビ(鳶)が飛んでいる。時には手を伸ばせば、手が届きそうなくらい近寄ってくることもある。 のどかな風景である。 海人が信仰する「ちはやぶる神の岬」にふさわしい。

また、鐘崎漁港は、西日本の海女発祥の地でもある。最盛期には、遠く能登、隠岐まで出稼ぎに行っていたとのこと。海人の基地である。
海女が多い地域は、鳥羽・志摩が有名である。太古の昔から盛んだったようである。国の重要無形民俗文化財の指定にもなっている。伝統的な職業である。
しかし、近頃は、海女が少なくなってきているとのこと。地域によっては、自然減少以外の要因で、ここ数年激減している地域もあるらしい。4年前に比べ21・8%もの大幅減との報告もあるようだ。
アナゴ、貝類の餌である海藻類の大幅な減少が、アナゴ、貝類を住みづらくさせているらしい。

ここにも地球温暖化の影響か。

長い歴史を持つ職業としての海女。この職業が数年で出来なくなって来ていることなのだろう。長い歴史の中の数年は、一瞬である。一瞬にして太古の昔からの職業 海女が出来ないとは・・・。地球温暖化は、凄まじい勢いで身近に迫っていることなのか。

500年後、1000年後の人々にもこの光景を見てほしい。 切に願う。   松尾